グランドフォークス空軍基地で給油活動をしていた飛行隊としては、もう一つ912nd ARSがあり、同空軍基地で1994年から2007年まで運用されていた。この飛行隊は後にKC-10Aを受領してスイモア・ジョンソンAFBへ移動し、2022年時点ではKC-46Aに更新されている。但し、どの飛行隊がどのような尾翼のチップラインだったのかは、デザインも時代と共に変化しており、私は分からない。
2012年4月3日 17:02 

ハワイを拠点に置く 第154航空団傘下の給油部隊である。154th WGは、F-22、C-17A、KC-135Rなど幅広い分野の航空機を有し、州空軍とPACAFの役割を兼任している航空団として異色の存在である。ここの飛行隊のシンシグニアはハワイの民族衣装や武者など伝統的なデザインを取り入れ美しい。沖縄嘉手納にもたびたび来る飛行隊ではあるが、私はあまりシャッターチャンスに恵まれない。朝鮮半島のオーサン基地で撮影したKC-135RをUPする。

2012年10月20日 16:24 
KC-135R
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ふと考えた・・一体いつ頃から空中給油という行為は始まったのだろう。朝鮮戦争の頃には無かったはずだから やはりベトナム戦争ぐらいからのはずだ。調べてみると、一番最初に空中で給油を試みたのは、1923年と言うから複葉機の時代にアメリカ陸軍が最初に行ったらしい。400リットルの給油を何回か繰り返し 満タンで6時間しか飛ばない機体で37時間連続飛行したと言うから、少なくとも5回はやっていることになる。どうも前を飛ぶ給油機からホースをたらし、それを後方の機体の後部座席の人が給油口に突っ込んで給油したらしいから、基本的には今と変わらない。それにしてもアメリカらしい発想である。もし ドイツ第三帝国がこれを本格的にできるようになっていたら、ドーバー海峡の戦いは流れが変わったかもしれないのだ。そのように考えると繰り返し燃料の補給を受けられるというのは,戦局にも大きな景況を及ぼす力がある。
↑ 場所が変わって オーサン空軍基地に展示されたハワイ州空軍 のKC-135R。157th WG傘下の203rd ARS/64-4832(2012)
↑ 2023年4月19日 松野氏が嘉手納基地で撮影されたR/W-23Rに着陸する203d ARSのKC-135R/58-0056
第319空中給油航空団は、1949年6月に爆撃航空団としてスタートした。双発のダグラスB-26インベーダーという中型爆撃機を宛がわれ、朝鮮戦争への参加を準備していたが、休戦により部隊は一時解散している。一時戦闘機の配備を受け防空任務などにも就いたが、部隊が本格的に復活して動き出したのは、1963年にB-52爆撃機の航空団となってからである。拠点をメンフィス空港から整備された巨大なグランドフォークス空軍基地に移し、この時同時に傘下にKC-135Aの空中給油飛行隊も抱えた航空団となっている。爆撃航空団としてはB-52を22年間(1963-1986)使用して、B-1Bを受領し7年間(1987-1993)運用してきた。冷戦の終了と共に爆撃航空団の縮小が進み、当航空団も1993年から空中給油航空団として活動。2011年をもって同航空団は、任務を偵察に換えて無人機であるRQ-4を運用している。
↑ 2023年10月5日 松野氏が嘉手納基地で撮影されたR/W-23Rに着陸する203d ARSのKC-135R/63-8883。
↑ 2023年8月31日 松野氏が横田基地で撮影されたハワイ州空軍203d ARSのKC-135R/63-8030。
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↑ 1998年ロビンス空軍基地で撮影されたKC-135R/63-0008。機首に鎧兜のマークが入っている。所属は、319th ARWで、写真では判りにくいが尾翼に黄色いラインに”Grand Forks”と書かれている。KC-135Rのページでも書いたが、部隊は現在偵察航空団となってRQ-4B Global Hawkを運用中。
↑ 尾翼のチップラインに「Grand Forks」のネームを入れたKC-135R。しかし、給油口は97th ARWになっており、この機体、元々は解散したノースダコタ州グランドフォークスの319th ARWの所属機であったのだろう。319th ARWは、解散後ベースオペレーション部隊(319th ARW)となったが、KC-135Rは2011年まで基地で運用していたようなので、2012年にこのマークが残っていても不思議ではない。いずれにせよすでに機体は、別の部隊に移管されていたはずである。この機体、2012年4月嘉手納から海兵隊のF-18向けに給油するためのドローグを取り付け、訓練に飛び立って行った。ちなみに、319th ABWは、2019年1月にノースロップ・グラマン社のRQ-4グローバルホークを受領して無人偵察の航空団となり、”GF"のテールレターを付けたRQ-4 グローバルホークは横田へも派遣されている。
2012年4月4日 15:57 
203d ARSは、アメリカ空軍の中部太平洋方面の空中給油能力向上の為、1993年に創設された給油飛行隊で最初からKC-135Rを使用している。インシグニアに書かれたハワイ現地語の ”A' OLE MAMAOLOA"とは、「遠くはないぜ!」と言う意味らしい。
↑ 2002年嘉手納基地を離陸するKC-135R。尾翼が白い帯なのは、906th ARSと思われる。この飛行隊はマイノットAFBから移動してグランドフォークスの319th ARWに合流した飛行隊。↓写真の赤いラインの機体は、恐らく912nd ARSではないかと思われるが不明だ。
↑ 2023年3月20日嘉手納基地で撮影した203d ARSのKC-135R/58-0056。1週間ほど全く動かず、飛ばずでシャッターチャンスはなかったが、記録としては残しておこう。
Wings

203d ARS

319th ARW (~2011)